2017年12月14日木曜日

渡り鳥理論の元ネタはサイバネティクス理論の勘違い?

「サイバネティクス理論」というものがある。
本当はサイバネティックス(cybernetics)と発音するみたい。
海外の知識はちょっと変形して伝えられることが多い。
その方が売れたり都合がよかったりするらしい。
 渡り鳥の法則 を参考にしていただける方が多いようなので、第二弾として元ネタを考察してみた。

渡り鳥の詳しい生態が今より分っていなかった頃、時のアメリカの天才、ノーバート・ウィーナーは仮説を唱えた。
その仮説は自動制御とフィードバックの話であり、渡り鳥が決めた方向に少し一直線に進んだ後、方向転換することからヒントを得た仮説のようだ。(Wikipedia)


この理論を時のマーケティングセミナーで生かしたいと考えた誰かが創意工夫をし、NLPって催眠言語だからっ、みたいな感じでよく分っていない渡り鳥のことと「サイバネティクス理論」を論じた一部の文章を組み合わせて作った話がセミナーなどで語られる「渡り鳥理論」またの名を「渡り鳥の法則」とかその他命名された話だったのだろう。

私の知る範囲ではフォトリーディングでよくやる手法だ。
しかし、フォトリーディングは実際には目の使い方を修練することで瞑想力を高めることが裏目的の為、本の読み方自体には一歩間違えると大変な落とし穴がある。
フォトリーディングは本をちょい読み・飛ばし読みをしていき、内容を自分の好き勝手に纏めるという工程がある。
その時、学ぶことの重要性を伝えることが目的ではあるものの、渡り鳥の種類に応じた渡りの習性などがよく分かっていなかったこともあり、渡り鳥が決めた方向に少し一直線に移動し方向転換するという話のうちの一部を根幹部分を飛ばして抜粋したのではないだろうか。
テストの問題分を読み飛ばして、回答を間違える多くの人のように。
テストの点を取り試験に受かる為には、ちょい読みではいけない。
勘違いして考えた法則が、思いのほか顧客に受けがよかったのかもしれない。
そういうことって、NLPに限らずよくある。

「サイコ・サイバネティクス理論」というものもあるようだが、これは人は目標を決めると無意識にそこへ向かうとする考え方である。

「青い色ってどこにあったっけ?」みたいな、簡単な一瞬で結論が出る目標であれば無意識に達成されるとは思う。
しかし、長期に渡る目標や、一人だけでは達成できない目標の場合、目標を立てることは簡単でも無意識に達成されていくというのはあるのだろうか。

ちなみにこの考えを紹介しているのは、願望達成の理論を売る会社SSIの社主である。
そしてこの会社は・・・

また、無意識の集合、意識に上がらないことを一瞬の直感の連続を繰り返す人生を送ることが成功の秘訣という考えもある。

ひとまず、「サイコ・サイバネティクス理論」と「渡り鳥理論」は繋がらない気がする。
「サイバネティクス理論」と「渡り鳥理論」は繋がる気がする。
ありがちな勘違いからくる営業トークであると思われる。

渡り鳥が目標としているのは、生存するために必要な場所、すなわち餌を探すことだ。
人間でいうと遊牧民。
種類によるだろうが、渡り鳥の終着地点は急激な温暖化や森林伐採などの地球規模の環境変動によって変わってしまう餌場と飛行方式によって決まり、最初に設定したとしても変かってしまうかもしれない。
多くの鳥は、適地の餌場へ大陸の上をクネクネ曲がって方向を変えながら進んでいるようだ。
そう、天才が考えたように渡り鳥は一気に進まないのである。
もしかしたら、地球の磁場を見て体内の磁気コンパスを利用し方向転換しているのかも知れない。
怖いのは、勘違いした有利な情報は顧客獲得に有効であることが多いということ。

話は変わるが、これまで私が飼ってきたアゲハ蝶さん達を見て思ったが、多くの動物や昆虫は人間の持つ携帯電話のようなものを体の中に持っていて、その電波が繋がる中で付近の仲間からの連絡を受け取り目的地を選んでいる可能性もある。
「あ~、今そこにいるの~?餌あるの~?私もいくいく~♪」みたいな。


インドを訪れた時、シッキムとダージリンの差、シッキムに入った途端に鳥の鳴き声が聞こえたという経験から、国の緑化政策なくして鳥たちの餌場、目的地は語れない。

鳥やアゲハ蝶さん、もしかしたら多くの虫や動物たちは、イルカのようなコミュニケーション能力があるのかもしれず、今後そういった研究結果がたくさん出てくるかもしれず、いよいよ人間のそういうところ?
携帯電話と電波塔を持つことで離れたところで仲間とお話が出来る、なんていう人間の劣位性が明らかになってしまいそうだ。

しかし、この良く言えば催眠言語?悪く言えば勘違い?を一文で纏めると「目標達成の為には最初に知識をつけよう。」ということである。
それ自体は悪いことではない。
マーケティングにおいても、その業界の専門的知識を大量に身につけることは重要だ。
私たちは、会社に入ったら一気に覚えられないほどの新人研修を受ける。
それと同じことである。

思い返すと、これは一般的な日本人がみな体験してきたことである。
ほとんどの日本人が幼稚園から少なくとも高校・大学までは進む。
その間に社会人になるために必要と思われる大量の知識のインプットとアウトプットの時間を過ごしている。
それは私にとって一夜漬けで一気に覚えてテストで高得点を取ることが出来るかだったが、一夜漬けは一夜で抜けるという一瞬の成功の為の修練だった。
しかし、その経験を積み重ねることが、その後の学習や仕事において重要なことだったと思う。

なぜ、セミナーで語られる「渡り鳥理論」「渡り鳥の法則」が記憶に残り、誰かに伝えたいと思い、講師達が教え続けてしまったのか。

そこに、NLPの罪深さがある気がしてならない。
だって、NLPって催眠言語(作り話)だもんっ、と日本で教える側が恐らく開き直っているのだ。
よく分かっていない話を法則として断定し、教えてしまったのだ。
しかも、それは「ビジネスでお金を儲ける」ということに成功する為に、必要だと思う人が多いのだ。

グーグルが基本理念「Don't be evil(悪にならない)」を削除したように善はなかなか難しい。

この理論の成り立ちを知らず、拡散させてしまった人は意外と多かっただろう。
日本人って、正直で疑うことがないから簡単に騙されちゃうんだね。
騙されてても、いいこともあるからいいと思って暮らしていける人が多かったんだね。

屋久島での経験、都市伝説を真実だと思い誰かに話してしまって間違いを指摘される、というような恥ずかしい経験により、渡り鳥の本当の渡り方って、違うじゃん!!って憤慨し、分かった時点では渡り鳥の研究結果の最新情報がネットに出ていた為、こういうことかな?っと思いブログにつらつら書いてみた。
NLPの洗脳・催眠を考えるきっかけとなった。

しかし、実際に信じ切って多額のお金を投資して人に教えてしまったら、撤回するのは大変だね。
決め台詞は、「NLPはまだ分っていない、変化する。」である。
これを一つのきっかけとして、何が本当のことなのか?ということを追求しても生活していけるといいね。
渡り鳥は渡りをしないと生活していけない。
人間はこんなことをしないと生活していけないのだろうか、別の道も選択できるのではないだろうか。
生活の為、投資を回収する為、引けない人は多いようだ。
まるでどこかのドラマにあるように、DV旦那から離れられない奥さんみたいなこと言わないようにしよう。

高い、ディズニーランドに行ったと思おう。
アトラクションはリニューアルされるのである。

お金を儲けたい人の社交場であり、パフォーマーの養成所であった。
映画を見た後のような、ディズニーランドに行ったときのような、楽しい気分を味わえただけで良いではないか。

お客様を喜ばせたい エンターテインメントの場 だったのだ。