2016年9月5日月曜日

メラビアンの法則はいつ社内・ビジネス研修から消えるのか?

正しい認識がネット上にあふれているのに、いっこうに消えていかないこの法則。
最近でも、もっぱら社内研修やビジネスセミナーで使われている。
転職が多いのがばれる・・・が、業界最大手も含めて少なくとも4社でこれを教えていた。

ビジネスセミナーでは若干、正しい認識の方が優先されはじめ、使われなくなってきたかもしれないが、社内研修ではまだまだ健在である。
企業の研修担当は、昔のコミュニケーションに関わるNLPなどのセミナーの知識をそのまま更新せずに使い続けているからだろう。


この法則、完全に誤用である。

接客業や電話応対などの研修において、第一印象は7秒で決まるとか言ってしまっているが、これは事前にそう思い込まされたことによる人の思い込みを利用した、この法則を売る為の言葉である。
今一度、自分の周りの知人やお客様への第一印象がいつ決まったのかを思い返して欲しい。
ほとんどの場合、最初の7秒なんて覚えていないのではないだろうか?

「終わりよければすべてよし。」というように、私の接客経験から最初怒っていたとしても、1時間話して帰り際に笑っていればOKである。
ビジネスでの体験から、人の重要な印象はその人に関わった最後の方が重要だと思う。

NLPを教える講師は、これが誤用であることが分かっていてもこの内容が生徒を納得させるのに有効である為に使い続けている人たちもいる。
間違いが分かっていても、間違いであることを伝えない。

なぜそうなるのか?
ひとえに、NLPとはそういうものだから・・・
生徒に信じ込ませることができればOKな考えだからである。
NLPは今では科学的ではない疑似科学ということが一般的になっている。
今では違うと分かっていることが多い。

論文,本,恋愛,非言語コミュニケーションなぜ、世の中の真実ではないと分かっているのに、間違いを教えるのか?
みんなが教えてくれない「NLPの前提」の本当の意味 にもあるとおり、生徒にそう信じて欲しいからである。

アルバート・メラビアンの法則、この法則が日本に入ってきたのはいったいいつだろう?
どうやら、有名な人が誤用として広めてしまったらしい。

実際の実験では、写真と音声を使った単調な実験であったよう。
当のアルバートさん本人も、通常のコミュニケーションにおいては使えないと発言しているようだ。
このことをとあるNLPのトレーニング中に活用しようとしたら、教えている内容に誤用があるから使うなと止められたようだ。


知らない人の写真を見て、同時に音声を聞いて、被験者がその時どう思ったか、というものらしい。
他の情報はない。
相反する2つの情報を被験者が受け取った時に、どう受け止めるか、支持するかという単調な実験らしい。
「怒っている表情」の写真を見ながら、「怒ってないよ」という音声を聞くというようこと。
実際のコミュニケーションにおいて、初対面であれば表情を支持することはありえるが、その人の普段の顔が怒り顔だったり、その人に最近起こった出来事などを知っていれば本当に怒っていないという言葉を支持することになる可能性がある。

確かに、こんな単調な実験だったとしたら、言語は7%になるかもしれない。
この%の数字も、考えてみると好きな数字を並べただけなんじゃないかなと思える。
「7」って、好きな人多いし。
「7-38-55」
覚えやすい好まれる数字であった、というのも広まった要因かも知れない。
新聞の見出しに出たら、思わず見てしまう数字だ。

たまにNLPの内容がTVで登場することがある。
都合よく編集され、世の真実、実際のNLPの教えはどこにいったのか、、、横道をそれて放送される。
その方が分かりやすいと感じる人が多いからのようだ。
そして、NLPを知らない人はTVで放送された情報を鵜呑みにして人に伝えてしまうことがある。

よくネットを信じられるとこまるNLP講師は、ネットは嘘ばかりという。
恐らく、そういう講師の作るHPには、なんらかのカラクリがあるのだろう。

ネットは嘘もあるし真実である部分もある。
それは、TVも本も伝聞もネットも同じことだと思う。

今、必要なのは、それを 見分けられる 経験と検索力なのかもしれない。